発酵について

発酵について

発酵は、縄文時代から存在していたという先人たちの知恵によって生まれたもの。

日本人が長寿で肥満が少ないこと、それは和食の中心が動物性脂肪分をあまりとらない発酵食品に理由があります。

なかでも、和食の味わいを豊かにするもの、それが、味噌、醤油、みりん、酢、鰹節、魚醤など日本独特なカビや酵母を使った発酵を利用した調味料の豊富さです。

しかしながら、近年の化学添加物の利用により本来の姿を消しつつある発酵食品の歴史について説明します。

発酵の歴史

発酵とは、例えば私たちが食べる漬け物は縄文時代から存在していたと言われていますが、記録としては奈良時代の木簡の記述が最古。

同時に酒や味噌や酢などの調味料も盛んに醸造されていたようです。

そもそもの発酵食品の始まりは、微生物の力を借りて夏場の暑さによる腐敗対策や野菜が採れない冬の厳しい保存対策として生まれたこと、さらには美味しいこと、その理由が19世紀半ばに日本人が発見した「旨味成分」で明らかになりました。

夏にとれた野菜や魚を冷蔵庫の無い時代に常温で保管すると、様々な虫が来て腐敗してしまいます。しかし塩に漬けることにより、保存が可能となりました。

旨味については、 発酵が進み乳酸菌が増えると酸が増え、その酸により野菜等の酸味が増して風味が変わってきます。また、野菜がもつデンプンやタンパク質は、微生物の力により分解されて糖やアミノ酸に変わります。

因みに、ニホンコウジカビ(麹菌)はカビと聞いて驚きますが、有毒な物質をつくらないばかりか、デンプンやタンパク質を糖やアミノ酸に分解しながら成長するため、その性質を利用して、味噌、醤油、など旨味のある調味料等を造るのです。

その後、盛んに賞味されてきましたが、江戸時代には一夜漬けや糠漬け等様々な工夫が各地でされ、一般庶民の食物として全国至るところに広まりました。

発酵の現在

近年は、物流、冷蔵技術、化学添加物(保存料等)、の進歩により、大量消費に対応する為に各企業が争いながら低コストで発酵させずに同様の見た目と味を生み出す漬け物が主流となっています。

また、保存料により本来発酵に時間を要する漬け物がもつ保存食の意味合いもなくなりました。

そのため、現在、発酵食品の製造には時間を要することと、かなりの手間と労力いわゆる人件費がかかることから、従来からの手造り発酵に携わる企業は採算が合わなく廃業する会社が多くなっています。
低コストの大量消費型経済により私たちは豊かになりましたが、伝統は消えつつあるのです。

しかし、近年、先進国は人口減少時代に入り、私たちは少し遅かったかもしれませんが化学調味料無添加の自然由来の糠床等をはじめとした食に関する発酵食品が見直されてきています。

発酵の今後

昨今、その食材はどこで誰がどのようにして育てたものか、食材の生産者の顔や食品の生産過程や製造方法にまつわる思いや物語により「由来」を知り、いかに社会的か倫理的かを考える人が多くなってきています。

企業も考えなければ私たちに支持されない時代となってきています。

美味しいだけでなく、毎日自らの口に入り血となり肉となる食品だからこそ、自ずと安全でありその後の自身と子供世代の健康や環境への影響を考えるサステナブル社会への意識は高くなります。

過去の先人たちの知恵を持って発酵食品を守り、最新の科学技術を駆使して微生物の発酵と共に自然と調和し資源を無駄なく使う循環型社会を作っていきましょう。